1m以上の物を置いちゃダメなの?
初めてキャバクラやバーをオープンされるお客様で初回面談時によく指摘させて頂くのが「1m以上の設備違反」です。具体的には椅子ですね。
「もう頼んじゃったんだけど!」などと言われる場合もございますが誠に恐縮ですが返品の上、お買い直しをお願いしております。なぜなら
1m以上の椅子などが営業所内にあれば100%許可されませんので致し方ありません。
では、何故そうなのか?見ていこうと思います。
(以下、太字は法令等から引用)
応えは法令ワープを繰り返した先にある
まず、風営法の法第四条第二項第一号に許可をする時の基準が定められています。
一 営業所の構造又は設備(省略)が風俗営業の種別に応じて国家公安委員会規則で定める技術上の基準に適合しないとき。
第四条第二項第一号
法律では具体的な基準を国家公安委員会規則に委ねています。
では国家公安委員会規則をみていきましょう。
三 客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
施行規則第七条下欄の三
ここで何やらそれらしい基準が出てきます。
『見通しを妨げる設備』
いったいどういった物が見通しを妨げる設備となるのか?
最後の法令ワープ、解釈運用基準を見てみましょう。
意外とハッキリ示される基準
二度のワープをようやく経て辿り着いた答え。それでは解釈運用基準をみてみましょう。
(1) 施行規則第7条の表中「見通しを妨げる設備」とは、仕切り、ついたて、カーテン、背の高い椅子(高さがおおむね1メートル以上のもの)等をいう。
8 構造及び設備の技術上の基準(1) 解釈運用基準より
ついに出てきましたね。『高さがおおむね1メートル以上のもの』!!
どうでしょうか。思ったよりもハッキリ書いてあるかと思います。
さらに解釈運用基準は続きます。
なお、見通しを確保する必要があるのは客室の内部である。このため、例え
ば、客室の中央に調理場が設置されているような場合に客室と調理場の間に見
通しを妨げる設備を置くことは認められないが、壁際に調理場があるような場
合に、客室内の見通しを妨げない方法で、客室と調理場の間に見通しを妨げる
設備を置くことは可能である。
風営法では、客の遊興スペースである『客室』という概念がありまして、この客室スペースで1メートル以上のものを置いて客室の見通しを妨げないでね、ということです。
カウンターの高さが95㎝で、カウンターの上に高さ30㎝のタオルウォーマー(おしぼりを温めるやつ)を置いたら全体で1メートルを超えますので客室の中央に調理場があった場合、許可は下りないでしょう。
一般的なお店はカウンターが壁際にあると思いますのでタオルウォーマーなど『客室と調理場の間に見通しを妨げる設備を置くことは可能である。』ということになります。
終わりに
ということで今回は1メートル以上の設備を置いてはいけない理由について記載しました。
昇降機能がある椅子は縮めて1メートル以下であっても伸ばして1メートルを超えたらアウトです。1メートル以下の状態にして昇降機能を破壊すれば大丈夫です。
ちなみにカウンター自体が1mを超える場合は念のため地域の警察署に確認したほうが無難でしょう。店の造りによってはカウンターの位置が見通しを妨げる場所に位置していたり地域によって考え方が違ったりしているからです。
実務でもまれに『1メートルジャスト』や『1.025メートル』といったカウンターが存在しましたが場所的にも経験上もまず問題無いのですが、それでも不安になりますよ(笑)。
外部リンク
・かおるTV(YouTube)
・悪質ホストクラブ対策について(警視庁HP)
・栃木県風俗営業許可関係
・群馬県風俗営業許可関係
・埼玉県風俗営業許可関係

