風営法の第1条 目的 について記載していきます。法律は第1条が「目的」となっている場合が多いです。その法律が何故あるのか?何を目的としているのか?それを第1条であきらかにするのです。それではどんな内容なのか見ていきましょう。

そもそも「風俗」ってなに?

 風俗という言葉はもともとは「一定の社会集団に広く行なわれている生活上のさまざまなならわし。しきたり。風習。」を意味します。言葉の歴史は古く、中国の漢の時代の「詩経注釈書」という書物には「風俗」という語が載っているそうです。
 現代では「フーゾク」と聞くと何か性風俗産業を表す言葉として浸透している感があり、私も「風俗営業が専門です」というのが恥ずかしかったりします。

(2)風営法の「目的」って?

(目的)
第一条 この法律は、善良の風俗と清浄な風俗環境を保持し、及び少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため、風俗営業及び性風俗関連特殊営業等について、営業時間、営業区域等を制限し、及び年少者をこれらの営業所に立ち入らせること等を規制するとともに、風俗営業の健全化に資するため、その業務の適正化を促進する等の措置を講ずることを目的とする。

 風営法は下の3つの達成を目的としています。

 ①善良の風俗の保持
 ②清浄な風俗環境の保持
 ③少年の健全育成への障害防止

ひとつずつ見ていきましょう。

(3)善良の風俗の保持

 国民の健全な倫理観や道徳的価値により(「道義的観念」という)人の欲望を元に繰り広げられる水商売や性風俗の営業関係を、正しい状態(善良)に保っていこうということです。

(4)清浄な風俗環境の保持

 水商売などの派手な営業が、地域の環境(風俗環境)乱すことが無いように保っていこうということです。

(5)少年の健全育成への障害防止

 風営法で取り扱う業務の中には、発展途上にある年少者の心身に悪影響を与える恐れがあるため、なんらかの対策をとっていこうというものです。

(6)目的がわかれば理由がわかる!

 はじめて風営法を取得しようとするお客様と話していると
「なんで夜12時までなの?」
「なんで1m以上の物を置いちゃいけないの?」
「なんで病院が近くにあると店が出せないの?」
などなどの疑問を頂きます。それらの理由はこの「目的」を達成するためです。

○善良の風俗の保持
・客室内での1m以上の設備設置の禁止(衝立の影でいかがわしい行為が発生するのを防止)
・営業時間の制限(時間の制限がないと深夜の店内で違法行為が行なわれる可能性があるため)
○清浄な風俗環境の保持
・営業所制限地域(病院や学校の周りに水商売の店があるのは宜しくない)
・広告規制(広告に制限がないと風俗営業の派手な看板で埋め尽くされる)
○少年の健全育成への障害防止
・18歳未満の者の接客行為の禁止
・18歳未満の者の営業所への立入禁止

(7)終わりに

いかがでしたでしょうか?法律の目的がわかれば法律の意味が良くわかったり、店を構えるときに重要なポイントが見えてくるかもしれませんね。風営法を守り健全な営業を心掛けていきましょう。

(8)POINT

✅「風俗」の語源は庶民の生活風習。
✅風営法は「風習」「周辺環境」「年少者」の正しく清らかな状態に保つことを目的としている。
✅厳しい風営法の決まりは「目的」達成のため。

外部リンク

・かおるTV(YouTube)
悪質ホストクラブ対策について(警視庁HP)
栃木県風俗営業許可関係
群馬県風俗営業許可関係
埼玉県風俗営業許可関係
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令