民法第3条 私権の享有は、出生に始まる。
🔶法定相続
人が死亡すると相続が開始します。この亡くなった方を「被相続人」と呼びます。
そして相続財産を承継する方を「相続人」と呼びます。
相続財産は遺言に定めがあればそれに従い、遺言無き場合は「法定相続分」に従った割合で相続されます。
では、この法定相続分とは一体どんな割合でしょうか?
🔶配偶者と相続順位
まず、夫や妻などの配偶者は常に相続人となります(民890条)。
それ以外の被相続人の子供・親・兄弟姉妹などの血族には順位がつけられ、一番若い順位の血族が相続人となります。
血族の順位は以下の通り。
第1順位:被相続人の子供(もしくは代襲相続人である直系卑属)
・相続が開始した時点で子が死亡していたり相続欠格や相続廃除に該当している場合は、子の子(被相続人からしたら孫)が相続人となる(代襲相続)。
第2順位:被相続人の親(直系尊属という)
・被相続人の両親が健在なら両親が、両親が死亡していて祖父母が健在なら祖父母が相続する。
第3順位:被相続人の兄弟姉妹
・この第3順位にはいわゆる「遺留分」がない。遺留分に関しては又別の機会に。
以上が血族相続人の順位です。
ようするに、被相続人が死亡したとき、子がいるなら子が相続人となり(第1順位)
子が無くて親が健在なら親が相続人となり(第2順位)、子も親もいない場合に初めて兄弟姉妹が相続人となれます(第3順位)。
🔶配偶者と各相続人の持分
上に記した通り、相続財産は
「常に相続人たる配偶者」と「順位の若い血族相続人」で相続財産を分けます。
この時、財産を分配する割合の事を「持分(もちぶん)」といいます。
持分は、どの順位の血族相続人が相続人となるかで変化します。
・第1順位の場合: 配偶者 1/2 子 1/2
・第2順位の場合: 配偶者 2/3 直系尊属 1/3
・第3順位の場合: 配偶者 3/4 兄弟姉妹 1/4
※ちなみに、同順位に複数の相続人がいる場合はその者達で均等に分配します。
子供が二人いた場合は配偶者が1/2で、子供がそれぞれ1/4づつ相続する、といった具合です。
※配偶者に関しては婚姻していない事実婚や、同性カップルのパートナーなどは配偶者と認められません。
※第1順位に関しては、養子や婚外子もなんら問題なく第1順位の相続人となります。
よって、これらの者を交えずに行った遺産分割協議は無効、やり直しです。
※相続人が誰もいない場合は事実婚の相手方などの特別縁故者に相続が認められる場合があります。
その場合は、特別縁故者が家庭裁判所に申し出なければなりません。
※相続人も特別縁故者すらもいない場合、被相続人の財産は国庫に帰することになります(国のものになるということ)。
財産の持主が死亡しても、その財産が有効に活用されるように、遺言なき場合でも相続財産の持分が一応示されている訳です(財産の無主物化の回避)。
ですが人には様々な事情があり、生涯をかけて築いた財産を必ずしも法定相続分通りに分配したいとは限りません。
そのような方に対して法は、遺言という制度を設けています。