都内アミューズメントカジノ一斉検査!6割が違法営業!?
12月、東京都内のアミューズメントカジノ80店舗に対する警視庁の一斉立ち入り調査が実施され、6割の店舗で風営法違反が確認されたといいます。一体どういうことなのか見ていきたいと思います。
(1)概要
報道によると、12~20日の検査で確認された違反は計84件。
[内訳]
〈1〉チップを店内で飲食物と交換するなどの「商品提供禁止違反」が26件
〈2〉チップを店外に持ち出させるなどの違反が13件など。
同庁は店側を口頭で指導した。
2021年で都内で60店ほどであったアミューズメントカジノが現在は200店ほどもあるそうです。今回は、客が得たチップをスマートフォンのアプリ上で「ウェブコイン」と呼ばれるポイントに換えていたことが特に問題視されたようです。いったいどういうことなのか見ていきたいと思います。
(2)なにが問題なのでしょうか?
風営法23条では、パチンコ店やゲームセンターなどの遊戯場営業者(4号営業及び5号営業という)に対して法22条とは別に禁止行為を設けています。
(3)法23条が規定する遊戯場営業者の禁止行為
法23条が規定する遊戯場営業者の禁止行為は以下の通り。
(遊技場営業を営む者の禁止行為)
第二十三条 第二条第一項第四号の営業(ぱちんこ屋その他政令で定めるものに限る。)を営む者は、その営業に関し、次に掲げる行為をしてはならない。
一 現金又は有価証券を賞品として提供すること。
二 客に提供した賞品を買い取ること。
三 遊技の用に供する玉、メダルその他これらに類する物(次号において「遊技球等」という。)を客に営業所外に持ち出させること。
四 遊技球等を客のために保管したことを表示する書面を客に発行すること。
2 第二条第一項第四号のまあじやん屋又は同項第五号の営業を営む者は、その営業に関し、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない。
3 第一項第三号及び第四号の規定は、第二条第一項第五号の営業を営む者について準用する。
今回は、1号「現金又は有価証券を賞品として提供すること」と3号「遊技の用に供する玉、メダルその他これらに類する物を客に営業所外に持ち出させること。」に違反した疑いがもたれているようです。
ここで思うのがパチンコで生計を立てているパチプロが存在するほど現金を稼げるんだから1号に違反しまくってるじゃん!という事です。
(4)パチンコのカオス
私はパチンコをやらないのでアレなのですが、パチンコをされる方々の間では有名であろう「三店方式」により、1号に違反しないとされています。以下に三店方式による営業の流れを記載します(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia))
三店方式による営業の流れは概ね以下のとおりである。
1.景品問屋が景品交換所から特殊景品を買い取り、パチンコホールに卸す。
2.客がパチンコホールに来ると、遊技場営業者であるパチンコホールは客の現金と遊技球(いわゆる「出玉」)を交換する。
3.客はパチンコで増やした遊技球をジェットカウンター等で計数した上で、その記録(レシート、ICカード等)を景品カウンターに持参し、店員はそれを確認したうえで特殊景品と交換する。
4.客が特殊景品を景品交換所に持参すると、古物商である景品交換所は特殊景品を現金で買い取る。
ようするに「景品交換所を介して客に金銭を渡してるから1号に違反してないよ」ということだと思うのですが、パチンコをやらない私からしたら実態として思いっきり違反してるじゃん!と思いますw
しかし、三店方式で裁判などは行なわれたことがないようで事実上合法とされているようです。
パチンコ店(4号営業)での三店方式が事実上合法なのはわかりました。じゃあなんでアミューズメントカジノ(5号営業)ではウェブコインを通じた換金がダメなの?という疑問は残ると思います。
(5)換金がダメな理由
[基本的に賭博はダメ】(※公営は除く)
刑法185条(賭博罪)では、ギャンブル(偶然の勝敗により財物・利益の得喪)に対して罰則を設けています。そこには将棋、囲碁、麻雀など技量が入り込むものであったとしても規制の対象となります。
【パチンコは4号、アミューズメントカジノは5号】
4号営業は規則36条でMAX「1玉4円」ということが決まっています。一方、5号営業はクレーンゲームに限り小売価格1,000円以下のものに限り認められている程度です。なので5号営業であるポーカーやルーレットゲームで、ウェブコインのような換金性のある営業は想定されていないのです。
換金するとかしないとかの方向性というより、トランプ台やルーレット台は存在するだけで5号営業に該当するしてしまいます。よって1号営業店にこれらを置くことはできません(某県警察本部職員談)。
(国家公安委員会規則で定める遊技設備)
第三条 法第二条第一項第五号の国家公安委員会規則で定める遊技設備は、次に掲げるとおりとする。
一 スロットマシンその他遊技の結果がメダルその他これに類する物の数量により表示される構造を有する遊技設備
二 テレビゲーム機(勝敗を争うことを目的とする遊技をさせる機能を有するもの又は遊技の結果が数字、文字その他の記号によりブラウン管、液晶等の表示装置上に表示される機能を有するものに限るものとし、射幸心をそそるおそれがある遊技の用に供されないことが明らかであるものを除く。)
三 フリッパーゲーム機
四 前三号に掲げるもののほか、遊技の結果が数字、文字その他の記号又は物品により表示される遊技の用に供する遊技設備(人の身体の力を表示する遊技の用に供するものその他射幸心をそそるおそれがある遊技の用に供されないことが明らかであるものを除く。)
五 ルーレット台、トランプ及びトランプ台その他ルーレット遊技又はトランプ遊技に類する遊技の用に供する遊技設備
(6)終わりに
今回は弊社では初となる4号、5号営業に関する記事ですがいかがでしたでしょうか?これからも風俗営業の様々な点について記載していきます。
POINT
✅激増したアミューズメントカジノが警察の立入検査を受け6割が違法であった。
✅4号、5号の営業はさらに別の規制が存在する。
✅日本では公営以外のギャンブルは禁止されている。
✅パチンコには三店方式が存在し事実上ギャンブル性が存在する。
✅5号営業は規則により法定されている。
✅5号営業はギャンブルを想定していない。
外部リンク
・かおるTV(YouTube)
・悪質ホストクラブ対策について(警視庁HP)
・栃木県風俗営業許可関係
・群馬県風俗営業許可関係
・埼玉県風俗営業許可関係
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令

