風俗営業の変更に関する手続き

 キャバクラやホストクラブなどの風俗営業者が、許可を得ている営業所や営業者に関してなんらかの「変更」をしようとする時はその変更の内容に応じて手続きが異なるので注意が必要です。 
 変更をする場合、以下の4つのカテゴリーにわかれます。

1.変更承認申請
2.軽微な変更届出
3.その他の変更
4.承認も届出も不要となる行為

変更承認申請

 風俗営業者は、増築、改築その他の行為による営業所の構造又は設備の変更をしようとするときは、変更を実施する前にあらかじめ公安委員会の承認を受けなければなりません。(法第9条第1項)
 
法が例示するのは以下の4項目(府令第2条)
(1)建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第十四号に規定する大規模の修繕又は同条第十五号に規定する大規模の模様替に該当する変更
(2)客室の位置、数又は床面積の変更
(3)壁、ふすまその他営業所の内部を仕切るための設備の変更
(4)営業の方法の変更に係る構造又は設備の変更

以上のような、申請時に提出した内容と数字が変化するような場合に公安委員会への事前の承認が必要になります。

軽微な変更届出

 以下に掲げる「軽微な変更」すなわち府令第2条に当たらない変更については、承認手続きが不要であり、届出をすれば足ります(解釈運用基準17-1(2))

(1)営業所の小規模の修繕又は模様替
(2)食器棚その他の家具(作り付けのものを除く。)の設置又は入替え
(3)飲食物の自動販売機その他これに類する設備の設置又は入替え
(4)照明設備、音響設備又は防音設備の変更
(5)遊技設備の増設又は交替(4号、5号関係)

 ※変更届出書の提出は、変更があった日から1ヶ月以内(照明設備、音響設備、防音設備に係るものである場合にあっては10日)に提出することとされています。

 「小規模の修繕又は模様替え」に関しては解釈運用基準にも具体例がありませんが、一般的にはひび割れの修繕など日常の損耗に関わる修繕とされています。修繕をする場合は管轄警察署に確認しましょう。

その他の変更

 営業所の構造又は設備の変更の他、以下に掲げる事項に変更があった場合は届出の対象となります(法9条第3項第1号)。

(1)営業者の氏名・名称・住所・法人代表者の氏名
(2)営業所の名称
(3)管理者の氏名・住所
(4)法人の役員の氏名・住所

 上記の内、変更した内容が許可証・管理者証の記載事項である場合はそちらの書換申請も行なう必要があります。

承認も届出も不要となる行為

以下に掲げる行為の5つの変更は、極めて軽微であるため、届出も不要とされる(解釈運用基準17-1(3))。

① 軽微な破損箇所の原状回復
 ・割れたガラスの入替え、破れた壁紙を貼替えたりするような場合。
② 照明設備、音響設備等の同一の規格及び性能の範囲内で行われる設備の更新
 ・電球が切れたため従前と同じワット数の電球を付け替える場合や、スピーカーが故障したため従前と同じ音響パワーレベルのスピーカーに入れ替える場合。ワット数や音響パワーレベルが変わる場合は届出の対象となります。
③ 法第2条第1項第5号の営業における遊技設備のソフトウェアのみの入替え及びそれに  伴う操作部分の変更
④ 遊技設備の位置の変更
⑤ 営業所内の見通しを妨げない程度の軽微な椅子、テーブル等の配置の変更

違反の効果

(1)無承認構造変更違反

量定区分 A
原則として許可取消し。情状により営業停止命令とする場合も指示処分の前置は不要。


罰則 1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(併科あり)。不正の手段により承認を受けた者も同様。

(2)営業所の名称等、構造設備の軽微な変更の届出を怠った場合

量定区分 F
5以上20日以下の営業停止を基本として荷重軽減。原則として指示処分前置。

罰則 30万円以下の罰金。

(3)届出に伴い許可証の書換えを受けなかった場合

量定区分 G
指示処分を行なう。指示処分に違反すると営業停止命令。

罰則 なし

終わりに

 許可制の業種は許可後もある程度の手続きがありますが、年1回と5年に1度定期の届出をする建設業に比べると、風俗営業は許可後の手続きは易しいといえます。
 無承認構造変更違反は一発アウトなので必ず事前の承認を得てから変更するようにしましょう。

あまりにも工事をする場合はコチラを確認しまししょう【風俗営業の同一性の基準】

外部リンク

・かおるTV(YouTube)
悪質ホストクラブ対策について(警視庁HP)
栃木県風俗営業許可関係
群馬県風俗営業許可関係
埼玉県風俗営業許可関係
風俗営業Q&A