法人に新たに追加された欠格事由:第7号 密接な関係を有する法人
改正風営法の下、11月28日より新たに追加された「密接な関係を有する法人」について記載します。
密接な関係を有する法人とは?
「密接な関係を有する法人」は、法人が風俗営業の許可を取得しようとする場合に問題となり「イ」と「ロ」の2種類があります。このイ又はロに該当する法人が許可を取消されて5年を経過していない場合、申請法人は許可取得できません。
「イ」の法人
イの法人は、許可を受けようとする者の株式の所有その他の事由を通じて、許可を受けようとする者の事業を実質的に支配し、又はその事業に重要な影響を与える関係にある者として具体的には国家公安委員会規則で以下のように定められています。(ロにおいて親会社等といいます。)
(1) 許可を受けようとする法人が株式会社である場合は、その法人の議決権の過半数を有している者
(2) 許可を受けようとする法人が合同会社のような持分会社である場合は、その法人の資本金の二分の一を超える額を出資している者
(3) 出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより、当該許可を受けようとする者の事業の方針の決定に関して、(1)(2)に掲げる者と同等以上の支配的な影響力を有すると認められる者
「ロ」の法人
ロの法人は、親会社等が株式の所有その他の事由を通じてその事業を実質的に支配し、又はその事業に重要な影響を与える関係にある者として国家公安委員会規則で以下のように定められています。
(1) 親会社等がその議決権の過半数を所有している株式会社
(2) 親会社等がその資本金の二分の一を超える額を出資している持分会社
(3) 出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより、その事業の方針の決定に関する親会社等の支配的な影響力が(1)(2)に掲げる者と同等以上と認められる者
イの法人が会社法でいう親会社。ロの法人は子会社であると言えます。
(3)はなにをもって判断するのか条文等に記載はありませんが、他の行政書士の記事には「反社会的勢力との繋がりが該当する」とありました。
その他
「密接な関係を有する法人」に関して、解釈運用基準には以下のようにあります。
密接な関係にある法人の存在を新たに把握した場合には、風俗営業者に対して法第37条第1項の規定により報告又は資料の提出を求めること等により、その法第4条第1項第7号該当の有無を調査することとする。
37条第1項は、公安委員会が風俗営業者等に対し、業務に関し報告又は資料の提出を求める事が出来る規定です。許可取得後も警察も本欠格要件の該当性が調査されるようなので法人は特に注意が必要です。
終わりに
本欠格要件は「申請者が法人である場合、その法人と密接な関係を有する法人が許可取消しを受けていた場合、5年経過していなければ許可されない」というものです。法人で風俗営業を展開する場合、有利な面も多いですが許可取消に至るとかなりの負担となるので営業には注意が必要です。
⇒法人関係記事「法人と風俗営業その1:合併」
⇒会社法関連記事「会社の種類」
外部リンク
・かおるTV(YouTube)
・悪質ホストクラブ対策について(警視庁HP)
・栃木県風俗営業許可関係
・群馬県風俗営業許可関係
・埼玉県風俗営業許可関係
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令

