新風営法:いわゆるスカウトバックの禁止
令和7年の新風営法で新たに追加された法第28条第13項についてご紹介致します。
内容
13 第二条第六項第一号又は第二号の営業を営む者は、営業所で異性の客に接触する役務を提供する業務に従事しようとする者の紹介を受けた場合において、当該紹介をした者又は第三者に対し、当該紹介の対価として金銭その他の財産上の利益を提供し、又は第三者をして提供させてはならない。
(1)概要
性風俗営業者がキャストの紹介を受け際の紹介料の支払いを規制している。紹介料支払いの実態が女性の売春を助長するものであることを踏まえて今回規制の対象となった。
(2)規制の対象
対象は「第二条第六項第一号又は第二号の営業」。ソープランドやファッションヘルスと呼ばれている。派遣型のファッションヘルスについても規制の対象となっている(法第31条の3第1項)。
(3)なにがスカウトバックと認定される?
・性風俗店を営む者がスカウト等に支払った金銭その他の財産上の利益が対象。「紹介料」「顧問料」などの名目を問わず、性風俗店へのキャスト紹介料であることが明らかとなればスカウトバックと認定される。
・紹介料が無料でキャストの成績次第でスカウトに金銭が支払われる場合も規制対象となる。
(4)「第三者」とは?
「第三者」とは、規制対象が特定の人物に限られている訳ではない事を示している。例えば、「紹介」や「支払」が誰かを介して行なわれるなどの脱法行為を防止する規定である。
(5)違反の効果
本条に違反した店側(営業者)に対する罰則は以下の通り。
【風営法違反】
量定区分 B
60日以上240日以下の営業停止命令。
基準期間は、120日。
【罰則】
六月以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
紹介した者に対する罰則は風営法とは違う法律が適用される。
【職業安定法違反】
1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金
【組織犯罪処罰法】
7年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金またはその併科
POINT
✅本条はスカウトバック等を支払った店を規制するもの。
✅規制の対象はソープランドなどの性風俗店。
✅スカウトバック等の支払名目は問わず実態で判断される。
✅間に誰かをいれるなどの脱法行為も本条がカバーしている。
✅スカウトバックを受取った者や紹介した者に対しては別の法律が規制を置いている。
新風営法関連
・新風営法:歌舞伎の看板を黒く染めた通達
・新風営法:第18条の3(客の正常な判断を著しく阻害する行為の規制)
・新風営法:第22条の2 接待飲食営業を営む者の禁止行為
・新風営法:法人に新たに追加された欠格事由:第7号 密接な関係を有する法人
外部リンク
・かおるTV(YouTube)
・悪質ホストクラブ対策について(警視庁HP)
・栃木県風俗営業許可関係
・群馬県風俗営業許可関係
・埼玉県風俗営業許可関係
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行規則
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律に基づく許可申請書の添付書類等に関する内閣府令

